両親から受け継いだ大切な農地を活かしてマンション建設(from第433号)

名称 ベルカンパーニュ
概要 2LDK 20戸 / 1LDK 10戸
延床面積 2348.04m²
敷地面積 996.92m²
竣工日 2022年3月1日
構造 鉄筋コンクリート造 7階建
所在地 福岡市博多区板付

福岡市博多区板付は福岡空港、都市高速環状線を擁し、今年は近くに複合商業施設の「ららぽーと福岡」がオープンするなど転勤族や単身赴任の方に人気が高まっているエリア。ここでオーナー様がご両親から受け継いだ、大切な農地の活用をお手伝いさせていただきました。

開発・整備が進んで道路や建物が増えた土地に、一部農地を残してマンションを建設しました

板付周辺は1960年代まで田園が広がっていましたが、開発・整備が進んで道路や建物が増え、田畑はかなり少なくなりました。私は両親から数か所の農地とマンション1棟(上村建設施工)を受け継ぎ、現在農地では自家用や親戚・友人に配る米を作っています。農地を相続した際、一定期間農業を続ける納税猶予を受けたのですが、その期限が終わったことがマンション建設のきっかけとなりました。

さまざまな建設会社から土地活用の提案を受け、その中でウエムラさんにお願いしようと決めたのは、第一に営業さんのお人柄。私が所有している土地にマンションを建てる場合、敷地が1,000m²を超えると福岡市の開発許可が必要となるのですが、ウエムラさんは996.92m²をマンションの敷地に、残りを農地として残すプランを提案してくれました。これなら規制の対象とならず、両親と私が大切に守ってきた土地を活かすことができます。このような提案をしてくれたのはウエムラさんだけでしたので、これが大きな決め手のひとつになりました。

三角形の角地に適した間取りを採用したことで日照や騒音の課題をクリアしました

昔は今の倍ほどの面積があった土地ですが、都市高速道路が整備されたため狭くなり、三角の地形になりました。角地で三角形の土地をどのように活かした設計にするか、ウエムラさんと何度も話し合いました。いちばん気にかかったのは、東南側に都市高速の高架道路が通っているので騒音が気になるのではないかということ。北側向きの建物にすればこの問題はクリアするのですが、北側は日照が悪いのでどうしても避けたかったのです。

熟考した結果、東南側に1LDK、南西側に2LDKをL字に配置し、北側に駐車場をつくるプランを採用しました。騒音の課題は防音サッシとペアガラスを使って対策しました。窓を閉めれば都市高速道路の自動車の走行音はほとんど気になりません。気がかりであった日照も高架道路の影響はさほどなく安心しました。立地から転勤族や単身赴任者の入居が多いと予想し、ウエムラさんからは全戸1LDKのプランも勧められましたが、私はファミリー層に入居していただきたいと思い、2LDKを取り入れました。実際2LDKは人気で、完成前に全室の入居者が決まりました。

流行に配慮したデザインを提案していただき、外観は色が変化して見えるタイルをアクセントに

マンションを建てるのは初めてなので、ウエムラさんやハッピーハウスさんに今人気のデザインや仕様をアドバイスしていただきました。外観は茶系のタイルにグレー系のタイルのスリットを立体的に入れました。このグレー系のタイルは角度や時間帯によって色を変え、「効果的なアクセントになっているなあ」と見るたびに気に入っています。

エントランスは重厚感のあるデザインにし、車椅子用のスロープを設けベビーカーやキャリーバッグもスムーズに運べるようにしました。エントランスを入ると正面に坪庭があり、吹き抜けから植木に光が注ぐ設計に。定例会議には結婚したばかりの息子とお嫁さんも参加し、壁や床、キッチンなどの内装はまかせました。1LDKは明るく若々しい雰囲気、2LDKはファミリー層向けの落ち着いた内装になっています。

息子がフランス語で“美しい農園”を意味するベルカンパーニュと命名。残した農地で今は野菜を栽培していますが、数年後にまたここも活用しようとウエムラさんと計画しています。

個性的な外観

高級感が漂うエントランス。エントランスを抜けると小庭が

明るい雰囲気の居室内